走ることについて語るときにLiuの語ること
第三部:グランドスラム、 遙かなる頂を目指して
・第1章   ・第2章   ・第3章   ・第4章   ・最終章
第二部:走ることの意味を知りたくて僕は走った
・第1章   ・第2章   ・第3章   ・第4章   ・第5章
第一部:走ることの楽しさを教えてくれた人達へ
・第1章   ・第2章   ・第3章   ・第4章   ・第5章
第二部 第1章 見つからない見つけられない僕

長野マラソンの激走から3週間後、
2008年5月11日、僕は新緑の仙台を走った。



フルマラソンのダメージは予想以上に大きく身体だけでなく心までも疲れさせていた。
レース1週間前になってもモチベーションは上がらず出場するかどうかを迷っていた。
ベストを狙うのは無理と思ってたし、周りからもそう言われていた。
レース5日前の練習ではコンディションも上がらず
皇居一周(5km)を21分15秒(4'15"/km)で楽に走れたら出場しようと走り出すも・・・
必死に走って21分20秒(4'16"/km)かかった。
もう棄権しようと考えていた。
そんな時「ただ楽しんでくれば。いい経験になるし。」って言われて
「そうだ牛タンを食べに行こう」と出場を決めたのがレース3日前。
(結局、食欲かよ)
出場を決心した2日後、僕は高速バスで仙台に向かった。



前日に4分15秒/kmでいけるとこまで行こうと決めていた。
スタート直後から必死に走った。
途中でつぶれてもいいやって思ってた。
が、思った以上に身体が動く、15km過ぎまでは予定通りのペース。
いや、僕の予想以上のペース。
さすがに15km過ぎにペースが落ちるもののラスト1.1kmを踏ん張って・・・
1時間29分49秒で僕はゴールを駆け抜けた。
来シーズン目標にするはずだったハーフ90分切り達成。
つい一年前までは1時間50分以上かかっていたのに。
今でも4分15秒/kmのペース走でハァハァ言っているのに。
(よくそれで本当に90分きれたよなって思う)
少しだけ自分に感動した。

そして2007-2008シーズンは終わった。
2007年秋から7つのレースに出場して全てのレースでベストを更新した。
ハーフでは自分でもびっくりするくらいタイムを更新できたし、
初フルでは悔し涙を流したけどいい思い出、いい経験ができた。
とても充実したシーズンだった。



ただ・・・

これから先はそう簡単にベスト更新はできないだろう。
だから僕はもっと頑張らなければいけない。
頑張っても更新できないかもしれない。
それでも頑張る・・・のか・・・

・・・何の為に?

ほんの数十秒、数秒を更新する為に僕は頑張るのか?
トップ選手なら数秒のために頑張るだろう。
でも僕は選手ではない。
以前より多少速くなったとは言え大会で優勝や入賞を狙える訳もなく
これから自己記録を更新していってもそれは無理だろう。
それでも6月、7月、8月と暑い中、苦しい中、走り続けている。
何の為に?
速くなりたいの?どれくらい速く?なれると思ってる?
限界を知りたいの?「あなたはここで終わりです」って聞きたいの?
誰かに褒めてもらいたいの?誰かに認めてもらいたいの?



一人で走っている時は何も考えない。
ただ感じるだけ。
呼吸をして、汗をかいて、足を動かして、その自分の呼吸音、足音を聞いて
風の声を聞いて、木々の声を聞いて、どこかで響くクラクションを聞いて、
そしてただただ走る。
別に無知の境地とかいったそんなカッコいいもんじゃないけど・・・
そこに意味なんてないし、求めもしないし・・・
何も考えない、ただ走るだけ。
何も考えたくないから走るのか・・・



もうすぐ僕にとって2度目のシーズンに入っていく。
僕が走る理由・・・今言えるのは「ただ走りたいから走る」
いつかもっと明確な理由が見つかるかもしれないし、見つからないかもしれない。
でも今はそんな単純な答えでいいんだと思う。

ただ走りたい・・・それだけで・・・

2008/9/12